【図解】似ているようで違う!マーガリンとマヨネーズの違いは「乳化」にあった

マーガリンとマヨネーズはどちらも乳化したものです
ですが、口当たりはまるで違います
実はこの違いの秘密は、水と油の混ぜ方にあります
前回、【図解】マヨネーズが分離しない謎を解説しましたが、今回はさらに深堀ります!
前回の記事はこちら▼
水と油を仲介する「乳化剤」が一体どのように働いているのか。
今回は、マーガリンとマヨネーズを例に、乳化の奥深い世界をやさしく解説します
これを読めば、いつもの食事がもっとわくわくするはず!
マーガリンは油に脱脂乳、マヨネーズはお酢に油
マーガリンやマヨネーズは、何から作られているのかご存知ですか?

マーガリンは、
- 植物油脂と
- 脱脂乳を
- 乳化剤で油と水分を混ぜています
その他にも、風味や保存性を高めるために、食塩や酸化防止剤なども入っています
マヨネーズは、
- お酢に
- 卵黄を混ぜて
- 油を少しずつ加えて乳化させます
つまり、マーガリンは油に水を加え、マヨネーズは水に油を加えるタイプです
そのどちらにも、水と油を均一に混ぜるために、乳化剤が入っています
乳化タイプは大きく2つ!
乳化のタイプには、大きく2つのタイプがあります

油中水滴型:
- マーガリンに代表されるのが、油の中に水の粒が分散している「油中水滴型」です
- 食品内で何が起こっているかというと、乳化剤の「水が好きな部分」が、水の粒を取り囲むように粒になります
- そして、「油が好きな部分」が外側に向きます
- こうして、油の中に水の粒が均一に分散できます
水中油滴型:
- 一方、マヨネーズが代表的な、水の中に油の粒が分散している「水中油滴型」です
- 乳化剤の「油が好きな部分」が、油を取り囲み、粒になります
- 「水が好きな部分」は、外側に向くので、
- 水の中に油の粒が混ざります
このように、乳化のタイプには2種類あります
どんな食品に使われる?
私たちの生活には、乳化という技術が活用された食品がたくさんあります

油中水滴型:
油中水滴型は、マーガリンの他に、バター、クッキー生地などがあります
例えば、バターは油脂の中に、小さな水滴が分散してできています
バター自体の天然の乳化成分が、油脂の中に小さな水分を分散させています
また、クッキー生地は、バターに卵(レシチンという乳化成分を含む)を加え、卵に含まれる水分と油を乳化させて混ぜて作ります
水中油滴型:
マヨネーズが代表例ですが、ドレッシング、生クリームは水中油滴型のタイプです
分離しやすいフレンチドレッシングと違い、ごまドレッシング、シーザードレッシングなどクリーミーなものは、水中油滴型の乳化で安定しています
ちなみに、ガナッシュは…
ちなみに、前回ご紹介したガナッシュも水中油滴型です
チョコレート(油)に生クリーム(水)を加えて乳化させる油中水滴型の作り方に見えますが、
最終的には、水分の中に油が分散している水中油滴型に変化します
なので、チョコレートよりは、ガナッシュの方がくちどけが滑らかに感じられます
今回の図解では、ガナッシュは乳化タイプが調理途中で変わるので、混乱を防ぐためにあえて除外しました
図解に入れられる情報には限りがあるので、すべてを説明できないもどかしさもあります
ですが、図解で興味を持った方が、食への疑問を持ち、自分から「学びたい!」「知りたい!」と思ってもらえれば、とても嬉しいです
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参考文献:「食品加工貯蔵学」東京化学同人
May 2025


